用語解説

「見える仕様」とは?

認識のズレを、作り込む前に見つけるための仕様の形。定義・3つの条件・従来手法との違い・作り方を解説します。

定義

「見える仕様」とは、業務システムのヒアリング内容を構造化し、①図表(ER図・状態遷移図・コンテキストマップ)、②体系化された仕様書、③実際に操作できる動くプロトタイプの3点セットとして、発注者と開発者が同じものを見ながら確認・修正できる状態にした仕様のことです。

なぜ文章だけの要件定義書では足りないのか

文章は読み手の解釈で意味が割れます。「承認されたら出荷する」と書いたとき、その「承認」が誰のどの操作を指すのか、書いた人と読んだ人は別の絵を思い浮かべていることがあります。

そして認識の齟齬は、動くものを触った瞬間に露見します。従来の開発では、その瞬間が「本実装の後」——つまり手戻りコストが最大になる時点でした。

見える仕様は、この確認の時点を「作り込む前」へ前倒しするための道具です。仕様を文章として合意するのではなく、図表・文書・動くプロトタイプを一緒に見ながら合意します。

「見える仕様」の3つの条件

1. 構造が図で見える

データの関係は ER 図、業務のライフサイクルは状態遷移図、業務の区切りはコンテキストマップ。文章を読み解かなくても、構造そのものを目で確認できる。

2. 挙動が動きで見える

画面遷移・入力・承認フローを、実際に操作できるプロトタイプで確認できる。「思っていたのと違う」が、本実装の前に言える。

3. 再現性がある

同じ入力からは常に同じ仕様書・同じプロトタイプが生成される(deterministic)。だから「修正して作り直す」のではなく「構造を直して再生成する」ループが回る。

従来の手段との違い

手段見えるもの弱点
要件定義書(文章)網羅性・契約上の記録読み手によって解釈が割れる。動かして検証できない
画面モックアップ見た目・画面の流れデータ構造や状態遷移(承認フロー等)が見えない
ノーコード PoC動き本実装に引き継げず捨てられがち。作った人しか直せない
見える仕様構造+挙動+文書の3点構造化の手間がかかる(DSS Studio はここを自動化する)

作り方(DSS Studio の場合)

  1. ヒアリング内容を入力する。ステップ式フォームに業務語のまま入力します(ヒアリングシートのテンプレートを無料公開しています)。
  2. AI が構造化した結果を図表で確認・修正する。ER 図・状態遷移図・コンテキストマップで構造を見て、違っていればその場で直します。
  3. 仕様書と動くプロトタイプを決定的に生成する。確認した構造から、全10章の仕様書 PDF と Next.js 製の動くアプリを生成します。生成に AI は使わないため、同じ入力なら毎回同じ結果になります。

よくある質問

Q. 要件定義書の代わりになりますか?
置き換えではなく前段です。見える仕様で発注者と開発者の認識を合わせ、合意した構造を正本として契約・開発に必要な文書へ落とします。DSS Studio の場合、合意した構造から全10章の仕様書 PDF を自動生成できます。
Q. プロトタイプと何が違いますか?
プロトタイプは見える仕様を構成する要素の1つです。見える仕様は、図表(構造)・仕様書(文書)・プロトタイプ(挙動)の3点セットであること、そして修正したら同じ内容で再生成できる再現性を持つ点が、単発で作るプロトタイプと異なります。
Q. 発注側にはどんなメリットがありますか?
動くものを見て「違う」と言えるタイミングが、本実装より前に来ることです。従来は認識の齟齬に気づくのが納品前後で、手戻り費用を払う側は発注者でした。見える仕様は、その確認を作り込む前に前倒しします。
Q. 誰がどうやって作るのですか?
受託開発会社や情報システム部門が、業務ヒアリングをしながら作るのが典型です。DSS Studio では、ヒアリング内容をステップ式フォームに業務語のまま入力すると、AI が構造化し、図表・仕様書・動くプロトタイプを生成します(生成そのものは AI を使わない決定的生成です)。

作りたい業務アプリを、見える仕様に。

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